痛みが、腰部、臀部から大腿部、下腿部までに放散する症状を坐骨神経痛と呼びますがこれは病名ではなく症状の呼び名です。
坐骨神経は抹消神経のなかでも最も太くて長い神経で、腰椎の第4、5番の坐骨神経と第1〜3番の仙骨神経などがまとまったものをいいます。他の神経と比較して皮膚に近い位置を走っています。これらの神経には、運動神経や知覚神経だけでなく、自律神経の繊維も含んでいるので、坐骨神経痛のときには、神経の走行にそって多様な症状がでてきます。腰部、臀部、大腿、下腿、足裏などに痛みやしびれがおきたり、冷えや感覚が鈍感になったりします。また、悪化すると痛みが強くなるだけでなく、夜間痛、歩行困難もおこります。
坐骨神経痛の原因として多いのが、若い人では椎間板ヘルニアと梨状筋症候群です。椎間板ヘルニアでは、下肢伸展挙上での痛みの増強がおきるラセーグ徴候が特徴です。梨状筋症候群では、この筋が坐骨神経を締めつけることで症状がおきます。このときラセーグは陰性になります。加齢によるものでは、変形性腰椎症、脊柱管狭窄症、脊椎分離症、すべり症などの変形疾患でおこります。また、帯状疱疹のあとや脊髄腫瘍、骨盤内の腫瘍や疾患、さらに糖尿病でもおこります。
したがってひとくちに坐骨神経痛といってもその原因を明らかにしなければ治療効果は期待できないのです。ただしいずれも一番の予防は「前かがみの作業をしない」ことです。 |